Sparticle、清水建設とAIでの建設業務効率化・ナレッジ継承の実証実験について情報処理学会で成果発表

〜マルチモーダルLLMと画像セグメンテーションによるAI技術の導入で、建築図面審査業務の効率化・ナレッジ継承の可能性を実証し、AIによる建設業界のDXを推進〜

Sparticle株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:金田達也)は清水建設株式会社(本社:東京都中央区、社長:新村達也)との共同研究において、建築図面審査業務の効率化を目的とした共同研究の成果を情報処理学会第87回全国大会(2025年3月14日開催)にて発表しました。

この「設計図面のデザインレビュープロセスにおけるマルチモーダルLLMの活用に関する共同研究」では、マルチモーダルLLM(大規模言語モデル)と画像セグメンテーション技術を統合し、建築設計プロセスにおける図面審査業務の一部をAIで自動化するアプローチの有効性を検証しました。

https://www.ipsj.or.jp/event/taikai/87/WEB/data/pdf/4C-06.html

研究内容

建設業界では慢性的な人材不足の課題に対し、業務の効率化や属人化の解消が求められています。本実証実験では効率化が求められる設計部門の図面審査業務に注目し、断熱や防水など不具合に直結する情報を多く含む矩計図を題材に検証を行いました。

矩計図には形状による表現のみならず補足する文字情報も含まれることから、マルチモーダルLLMモデルを採用。セグメンテーションモデルと組み合わせることで、入力画像の解像度の向上を試みました。その結果、限られた学習データにおいても審査項目の分類タスクで一定の成果を上げ、さらに画像ベースの検索拡張生成(RAG)を活用したfew-shotプロンプトの生成により、分類精度の向上を実現しました。

75%の正答率 ー 図面理解における精度を実証

屋上部分における「パラペットの有無判別」タスクでは、最大75%の正答率を達成し、モデルの識別能力の高さから、建築分野におけるマルチモーダルAIの活用可能性を実証できました。一方で、実務での適用に向けた次なる課題も特定できました。

今後の展望:AIによる建設業務支援の本格展開へ

本研究を通じ、マルチモーダルLLMを中心としたAI技術の導入が、建設業における業務効率化・ナレッジ継承の手段となり得ることが示されました。今後は、学習用データのバリエーション拡充、建設業固有の知識や用語のモデルへの組み込みなどの課題に取り組み、AIによる建設業務支援の本格展開を推進して参ります。

Sparticleおよび清水建設は、引き続き実務に根ざしたAI活用の可能性を追求し、業界全体のDX推進に貢献してまいります。

左から:Sparticle株式会社 堀江康太郎、清水建設株式会社 NOVAREイノベーションセンターAI共創グループ 生駒コンダクター、古川グループコンダクター

Sparticle株式会社について
所在地:東京都中央区
代表者:代表取締役 金田達也
URL:https://www.sparticle.com/

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